表紙ページ ストリートダンスと音楽の相関性 所謂'60年代のソウル、ファンク、ディスコダンスや、'70年代に始まったソウルトレインなどのメデイアの影響を受け、NYの道端(ストリート)で踊られるようになったブレイクダンスなどの一般的総称がストリートダンスであり、(LAサイドはストリートではなく最初からメデイアを通じて台頭したのでステージだと主張するし、ブレイキンは白人系民族が多く黒人ではないが)当時ギャング団の闘争を止め、武器を捨てて踊りで競うようになったスラム街の踊りであり、黒人の黒人による黒人のための音楽に載せた躍りである。 '80年代に入り、ボビーブラウンによるランニングマンの大ブームが巻き起こったニュージャックスウィング以降、oldskool,newskoolのジャンルの細分化と、ジャズやタップなど白人文化との融合(be-bap、もとはソフトシューダンスのクロップドダンス)、アフリカンダンスへの啓蒙(house)、レゲエやサンバブラジリアンなどラテン音楽、ダンスの影響を受け(NYスタイル)更に発展している。 一般的によく知られる映画フラッシュダンスではNYのブレイキンチーム、ロックステディクルーのクレイジーレッグスがストリートでバックスピンを披露し、映画ブレイクダンスの中では、ザ・ロッカーズの後期メンバーのシャバドゥやエレクトリックブーガルーズのシュリンプが、俺らもジャズだ!とストリートジャズを提唱している。 ファンクバンドタワーオブパワーの曲の中にあるように、本来hipとは、イケテル、流行の、という意味で、流行であるが故に、常に変化、進歩する。 街頭に書かれた落書き、ウォールアートを、ヒップホップアートと呼び、音楽では電子音を使ったp-funkが、人間の声で表現されるラッピングへと発展する。 これらがヒップホップカルチャーと言われるようになり、ダンスジャンル的には、大きく、90年代前半以前の謂わばルーツとも言えるoldと、それ以降台頭したハウスや充実してきたLA,NYのラップミュージックに見合ってアンダーグラウンドで生まれた新しい動きのnewskoolに分けられる。 フラッシュダンス以前の映画ビートストリートやワイルドスタイルではそのヒップホップカルチャーをリアルに撮影している。またその前のザナドウでは、ホワイトロッカーズと言われたチェーンリアクションズがoldのLockinとpoppinを披露している。 (後にクロスオーバーしている時期をmiddleskoolと言うようになる) oldとnewの大きな違いは、それらの年代の音楽のジャンルからも察するように、そのリズムメイクにある。 oldはリズムメイクがよりタイトで、ビートが効いていて、moveも、派手目でステージ映えするものだが、newはより、アンダーグラウンド的で、リズムもルーズにすることによってフリーなフィーリングを表現している。 oldのフォーシングとビバップ、アフリカンダンスと格闘技のカポエラなどの影響を受けたhouseがそうだ。ブルーノートジャズのようにインプロを重視している。 ハウスは音楽は80年代にロンドンのレコーディングスタジオで生まれた16ビート(後に記述)。また、newskool-hiphopは、LAとNYスタイルに分けられる。 私こと、i:naは、年代的にはよりディスコダンスに近いoldを得意とするが、oldがルーツであり基礎ならば、newskoolはその応用、発展型だと理解している。 ダンスは音楽と同じように、または音楽より少し遅れて、変化し伝わる。 50年代以前のブルースや、ジャズ、60年代の後半から約15年間黒人達の間で流行した幻のブーガルーと言うラテンミュージックや、70年代のsoul,funk、80年代から90年代にかけてのP-Funkや、音楽史上の大改革のクロスオーバーやフュージョンと言った動きの時代の流れが、これらのダンスを産み出し、16ビートのクラブハウスミュージックの出現から(Funkも16ビート)90年代に入って、統べてのダンスのジャンルはミックスされるようになり、ラップミュージックが古きよき時代のヒットソングをトリビュートする90年代後半になって、時期遅くして細分化、各ジャンルの確立へと向かうようになる。 近年アカデミー賞にノミネートされた映画RIZEに登場するLAのクラウン、クランプダンスが注目されているが、、技巧も何もないところから、感じたままを打楽器のように表現している。 ジャズとストリートダンスの大きな違いは、ジャズが古い歴史を持ち、白人の手によって育てられ、確立されたテクニックとメソッドを持ち、基礎(バレエメソッド)や体作りに鍛練が必要なのに対して、ストリートダンスは歴史がまだ浅く、よりフレキシブルでムーヴに対するセオリーは特になかったが、大切なのは、moveよりfeelingで、どう動きたいか、どう感じるか?をインプロビゼーションによって個性を表現する躍りであることだ(但し!そのfeelingを表現するのがmoveであり、moveは人によって受け継がれ一人歩きする。なので、オリジネーターサイドが大事とするのはmoveである。) 言うまでもないが、ジャンル毎の一定のmoveの習得を除いて、型に填まった体作りなどはないが、フロア(ブレイキン)などアクロバット的な動きもあるため、筋力トレーニングは欠かせない。また、我々黄色人種にとっての基礎とするべきところは、黒人並のリズム感を養うビートトレーニングであろう。ビートトレーニングは、feelingを養う絶好の良い機会だ。 リズムメイクを疎かにして、moveにばかり気を取られると、jazzやクラシックとたいして変わらない、ガチガチの畏まった優等生の躍りになってしまう。 また、Lockinは所謂言語であるmoveと語りかけるファンキーさを特に大事にし、poppinは、moveの他にも各部位のアイソレーションがトレーニングには重要になる。 音楽と同じで、ジャズはテクニックを習熟した人が楽しむものであり、ファンクやヒップホップはビートを感じた人誰もが、気軽に楽しめるものだと、私は思う。 2000年、私はエレクトリックブガルーズの故スキーターはあるポッピンのコンテストのジャッジ評で、not movin,but feelin!feelin_is_most_importantと何度も言っていたのを実際の耳で聞いた。 そして2008may,7には、ロッカーズのルースカブースもクレイジーレッグスのケンスウィフトも、ブガルーズのボッピンドリュも口を揃えて、セオリーは『人を喜ばせる気持ちだ!』と言った。 そして、ボッピンドリューのみが、セオリーらしいセオリーを持つならば、我々のムーヴはリズムだ!と付け加えた。 そして、2009年3月LockingSummitに招待していただいたザ・ロッカーズのGregCampbellockJr,氏曰く、rizm is not imprtant...move is most important! 僕らは日常の出来事を踊った。moveはそれを伝える各個人の個性であり、大切な特徴であると言う。 moveを崩した動きはよくない。とTonyGoGo氏も重ねて伝えた。 ストリートダンスのルーツのファンクダンスの原点でもあるザ・ロッカーズの生き証人のお二人の言葉だ。 そして、昨今ファンクダンスのルーツであるsouldanceに再び注目が集まっている。 soulもfunkもmoveが大事なのだ。 そして、moveに纏わるエピソードが、面白い。 2004年著
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