(竹)次孫 僕よりも身長が大きくて掌が大きくて背中も広くて、優しくて、温かい、これ誰だ? (……何てね) ふわりと欠伸を溢して孫兵は小さく一人ごちた。 その答えはたった今己が背中合わせに身体を預けている相手に他ならない。 まるでくだらない問いかけだった。 「孫兵」 「何?」 「好きだよ」 「僕も」 僕は彼の背中にもたれるのが好きだ。 かつてあの人の腕に包まれることが好きだった僕だけれど。以前は守られるだけの僕だったけれど。 今度は君の背中を守ってみたいんだ。 ねぇ、僕よりも身長が大きくて掌が大きくて背中も広くて、優しくて、温かい、これ誰だ? (それは君) (大好きな君だよ) [*前へ][次へ#] |