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Act.V『2月14日』2
 

事は寝室に移ってから行われた。二人分の重みに軋むベッド。快楽に混じりながら訪れる微痛に赤木は獣耳を下げる。

「ちょ…市川さッ…痛、い」
「手前の身体は痛い位が丁度良いんだろ…?赤木…」

胸元の突起は嬲り続けた所為で赤く腫れ上がり切なげに震えた。押し潰せば先端を左右に振りながら膨らみ、再度その存在を主張する。
口に含み吸い上げながら甘噛みをすれば大きく彼の身体は跳ね、喉からは嬌声が漏れた。

「あっ…あぁ、んッぅ…!」

指が腹を伝うだけで赤木の身体は快楽に震え、更にそれを欲する。下腹部では既に性器が熱り勃ち、その滴を垂らしていた。それに触れた市川は彼に嘲笑する。

「クク…狐ってぇのは皆淫乱なのか…?」

力加減をせずにそれを手に納めれば、赤木の身体はこれから与えられるのであろう快楽に一瞬強張った。それを鼻で笑い市川はゆっくりとそれを擦り始める。ぐちゅりと音を立てるそれは手を動かされる度にびくびくと震え、与えられる快楽に段々と熱を増していった。敏感な部分を乱暴に扱われている赤木の口からは悲鳴が漏れ、目元に溜まった多量の涙は溢れ零れて頬を伝う。

「や、ぁ…痛ッ…痛い、ってば…っ」
「ふふ…痛い痛いと言っていても、手前のモンはやらしい音を立てる程に喜んでるみたいだがな…」

痛みさえも快楽としてしまう身体。それに羞恥を覚えてしまった彼の耳はしゅんと垂れて小刻みに震え、快楽と羞恥に追い詰められたその身体は益々鋭敏なモノへと変わる。
違う、と赤木が否定を口にすれば市川は小さく溜息を吐いた。
偽りの否定など要らぬ…。市川はそれを戒めるかの様に快楽に震える性器を力強く握る。

「ひっや、ああッ!」

突然に訪れた強烈な痺れは全身を駆け巡り、その口から悲鳴にも似た嬌声を吐き出させる。背筋は反り上がり性器の先端からは幾つもの透明な滴が溢れ落ちた。が、ぎりぎりの所で達する事が出来ない。
精を喰らう故、淫らに出来ている化狐の身体がこのもどかしさを我慢できる筈もなく、彼の腰は無意識に揺れて己を絶頂へと押し上げる大きな快楽を求めていた。

「手前で腰振ってちゃあ世話ねぇな」

市川の言葉に反論する程の余裕さえも今の赤木は持ち合わせていない。快楽を得たい一心で彼は懇願を口にした。

「…市川さッ…も…イキた…っ」

甘い声。ぞくりという感覚と共に市川の熱は増す。その脳内は赤木を嬲りたいという欲に塗れていた。

 

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