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不慣。
 

髪を梳き撫でる手が心地好い。少年は咥内に広がる苦味が和らぐようなそんな感覚を得、舌を絡ませたソレに自らの唾液を塗り付けた。
だが、手の主は多少不服そうな表情で『何時まで経っても上手くならねぇな…赤木よ』と中々上達せぬ行為への文句を吐く。
それに赤木は顔をしかめ、銜えていたソレから唇を放して抗弁を垂れた。

「うるさいな…。市川さんが不能なんじゃないの…」
「クク…不能だったら手前に舐めさせるなんて真似させねぇよ」

抗弁があっさり玉砕すれば少年は唇を尖らせ己の映らぬ老人の盲目を見つめる。年の功とでもいうのだろうか、口論で彼に勝てた事がない。どうすれば彼を黙らせる事が出来るのだろう…。

………ああ…そうか。

名案が浮かんだ赤木は市川の唇に噛み付くような口付けをした。

その煩わしい口を塞いでしまえばいい―



‥…―了


───
あとがき
この小説は海躍様の台詞のみの素敵文に当方が肉付けさせて頂いたモノです(´ω`*)台詞を使わせて頂き有難うございましたっ\(^O^)/

2010.1.1

 

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