続きJG
優しい場面も兼ね備えているのだが、意地が悪い。
そんなジェイドの性格は出逢った当初から変わらない。
特に恋人という関係になってからは俺に対する接し方や、からかい方が昔以上に変化したことは無きにしも非ず。
むしろ度が増した、と言えよう。
実際、現実はどうだ。
今、置かれている状況を。
ただの至福なのかそれともピンチか、はたまた妄想か。
これが、ジェイドなりの恋人への愛し方なのだろう。
「おや、何を今更恥ずかしがる必要が?」
デリカシーの欠片も無い返答が、脱兎の如く返ってきた。
今更、という単語が文章の流れからして長い間柄であることを表している。
「親しい中にも礼儀あり、って言葉があるだろ…」
「ええ、まぁ。そんなことぐらい知っていますけど」
だから正に、今がその言葉に適した環境なんだ、とジェイドに釘を刺してやりたいのは山々だ。
ベッドに身を預ける身体は仰向けにジェイドを受け入れる。
屈折し、掲げられた両足は身を縮こませるかのように胸へと押し付けられ、結合部を晒す。
「だから…灯り消しっ…」
視界に直に侵入してくる現実が、あまりにも目を背きたくなるようなものばかりだ。
やはり、この行為だけは幾度身体を重ねど慣れてはくれない。
元々、経験回数が違いすぎるのもあれだが、何より今は灯りが恐い。
徐々に汗ばんだ肌が更に肢体を色づける。
「何か言いましたかぁ?ガイ」
「…っ、勿体ぶるな、よ…」
当然、言いたいことは分かってるくせに。
それを承知で理解が乏しいフリをする。
ああ、もう何しろ先程までの紳士的な言動と表情は何処へ消えてしまったのやら。
不覚にもそんな言葉に胸をときめかしてしまった自分が馬鹿馬鹿しくなってくる。
優しさに満ちていた微笑みはすっかり鬼畜な笑みへと変貌を遂げた。
「そうですねぇ。今動くとなるとこれ、一度抜かなければならないのですが」
「え…」
たらり、と流れた汗と一緒にジェイドは同じ方向を指差す。
灯りで照らされた結合部へと。
いちいち視界に入れなくていいものを、みっちり塞ぐ入口をつられて再び目にしてしまう。
「そこまでガイがお願いをしてくるのなら、私は構いませんけど…」
すると進んだ腰を浮かせては、ジェイドは身を後退さる。
慣らしてようやく、とんでもない大きさのジェイドを受け入れたと言うのに。
呆気なく引いていき、内壁を通過するその動きに少々身震いをする。
それと同時に、若干寂しい。
「…、待っ…!」
何故か、不意に引きとめた。
「何か?」
「も、いいから…今日は折角の記念日だし、このままで…いい」
あー、もー結局何を言って…。
頭を抱えたくなるような衝動にかせられるが、丸く治まってしまう。
何度も不意に浮かべる笑みと、たまにみせる優しさと…むかつくけど妙に上手い愛撫だとかが癖、になる。
「素直で結構です」
そしてご褒美と言わんばかりに落とす口付けと、続く行為に身が喜び震える。
普段通りの行いが、今日だけは特別と特別とが重なって互いが互いの愛を再確認した。
これが、ジェイドなりの恋人への愛し方なのだ。
end.
2010/09/26
お、お粗末さまでした…。
ガイを焦らすジェイド書いていて楽しかったです^^
2010/10/02 UP
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