100万回の間接キス


眩しい朝はカーテンで隠されていても、意外にそれと分かるものだ。
朝の光にはどこか楽観的な希望が含まれていて。きっと人間にはそれを知覚する本能が備わっているのだろう。

そんな朝の気配に俺は目を覚ました
。目覚まし時計を見れば、7時5分前。
あと五分、横になっていようか迷ったけど目はすっかり覚めている。
タオル地のシーツの上で体を伸ばすと、クシャリとシワが寄った。
二段ベッドの上から身を乗りだし、逆さまになるようにして下を覗く。
そこにはタオルケットに埋もれている俺の半身。

「大地、もう七時。起きろ」

ピクリとも動かない双子の片割れに何度も声をかけると、ようやく「うー」とうなりながら体を起こす。
ボンヤリした目で俺を見あげ、

「広海……水……」

と、「おはよう」もなく俺に手を伸ばしてきた。

「はいはい、水ね」

いったん体を起こし枕元に置いてあった、ミネラルウォーターのペットボトルを下に放り込んでやる。

ポスンと具合よく手元に落ちたそれを取りあげ、アクビ混じりにあおる大地の口元を雫が濡らす。
カーテンの隙間から差し込んだ朝の光を見て梯子にノロノロと足をかけた。

「大地」

まだボンヤリとした目でチビチビ水を飲んでる大地に手を差し出すと、「ん」と返された。
それに俺も口をつけながら、カーテンを開けた。
夏らしい濃い青空と眩しい強い光は、起きたての目に痛くて涙が滲む。
窓辺を離れ何気なくベッドの方を見ると、そこには俯いて石像のように固まっている姿。

そばによってみたら案の定、器用に座ったままスヤスヤと眠っている。

「起きろー!」

耳元で叫んだ。
ビクリと跳ねた大地の頭を軽く叩くと、やっと目がしっかりと開いた。

その目が俺を見て柔らかく笑う。

「おはよう、広海」

「おはよう、大地」

キュッと胸が甘く疼く。 大地に一番に「おはよう」と言ってもらえるのも、寝起き特有の少し掠れた声で名を呼んでもらえるのも、俺だけ。

そんな些細なことに喜びを感じるようになったのは、いつからだったろうか。

「ほら、早くベッドからでて。母さんが怒るぞ」

「だして」

甘えるように差しのべられた手のひらを引っ張った。
そのギュッと繋がった手の感触は、幼いころから慣れ親しんだ感触でひどく心地いい。

手を繋いだまま二人して下に降り、洗面所で顔を洗い、リビングに入るとダイニングキッチンにいた母さんが、

「広ちゃん、大ちゃん、おはよ」

と、ニッコリ花のような笑顔を見せてくる。
その笑顔に髪を束ねた淡いピンクのシュシュも、レースで飾られたエプロンも驚くほど似合ってる。

「大ちゃん、広ちゃん。なに飲む?」

「牛乳!広海!」

「大地。オレンジジュース」

「ちょっと待ってね」

四人がけのダイニングテーブルに並んで腰掛けながらリクエストした。
名前をつけたのは、俺たちは声もそっくり同じで、ときどき両親さえ聞き間違えるからだ。

大地の向かいの席に座り、新聞に目を通していた父さんに声を揃えて、

「父さん、おはよー」

「大地、広海、おはよう。今日も夏期講習か?」

「うん。あ、ありがとー」

牛乳が並々注がれたグラスを母さんにさしだされ受けとる。
大地も同じようにジュースの入ったグラスを手にして口をつけている。

「で、どうなんだ?」

「どうって?」

なにが?

父さんの質問の意味がわからず、思わず左隣の大地を見る。
大地はきちんと質問の意図を理解したようで、軽く肩をすくめて答えた。

「ちゃんと二人とも頑張ってる、かな。少しずつだけど偏差値も上がってるし。志望大学まで、あと少し」

「なーんだ。成績の話?俺、頑張ってるよー」

ようやく理解した俺が主張すると、父さんと大地までもが苦笑した。

「広海、ノンキすぎ。俺が今『かな』ってつけた理由、分かってる?」

「え、俺?え、なんで?超頑張ってるよ、俺」

「まあ、頑張ってない、とは言わないけどね」

「意味わかんねーし」

分身のような兄がダメ出しをした気配に、ムッと眉をしかめると母さんがくすくす笑いだした。

「今日も仲良しねー。でも、先に朝ごはん食べてね」

見た目そのままの気質をしてる母さんがフワフワと笑う。

ピンクのマシュマロみたいな女の子が、そのまま大人になった雰囲気の母親に俺も大地も、そして父さんも弱い。
そろって素直に朝食を取り始めた。

カチャカチャと食器が触れあう音が響くなか、グラスをとりあげて冷たい牛乳を一口、二口飲むと、

「やっぱジュース飲みたい。ちょうだい」

大地が「ん」とオレンジ色のグラスを差し出してくる。

「ナイスタイミング。俺も牛乳が飲みたくなってたとこ」

「じゃ、交換」

二つのグラスを交換すると、父さんに「行儀が悪い」と叱られ揃って首を傾げた。

「だってさ、父さん」

と、俺。

「オレンジジュース飲んでたらさー、」

大地が続ける。

「オレンジジュースの方が美味しそうに見えてくるんだもん」

俺が締めた。

声が同じだから目をつむって聞けば、一人の人間が一つの台詞を喋ってるように聞こえなくもない。
それが、さも楽しいと言わんばかりに大地がプッと吹き出した。

「オレンジジュース飲んでたら、オレンジジュース飲みたくなるんだ?広海は」

「えー、それ大地じゃん?」

「俺、飲みたいのは牛乳だもん」

「牛乳飲んでたら牛乳飲みたくなるの?」

「そうそう…………って、そんなワケないだろー」

特にオチもないグダグダなやりとりだけど、これが最近、俺たちお気に入りの遊び。

肩を小突き合いながら笑う俺たちに、父さんが苦笑しながらトーストをかじった。

その姿に、心のなかで「ごめん」と謝った。
本当は遊びなんかじゃない。

「大ちゃん、広ちゃん、遊んでないでご飯食べなさい!」

ズキンと痛んだ罪悪感が、母さんのちっとも怖くない声で少し紛れ、二人して「はあい」と声を揃えて朝食に専念し始める。

焼き立てフワフワのフレンチトーストは熱くて持てないから、フォークで切って口に入れる。
それを飲み下すと、ジュースの入ったグラスに口をつけた。

チラリと視線だけで隣を見ると、大地も俺が最初に口をつけた牛乳を飲んでいる。
なんとなく目が離せずに盗み見ていると、ふ…っと大地と視線があった。
俺と同じように、俺を見ている。

絡みあった視線に大地がわずかに笑って、その指先がグラスの縁をなぞる。まるで、俺の唇をなぞるように。

心臓が一度だけ大きく鳴った。
目尻に僅かに熱が昇るのを自覚して、慌てて視線を外した。

濃いコーヒー片手に新聞を読んでいる父さんも、ヨーグルトをかけた苺を頬張っている母さんも気づいていない。

そのことに安堵して、グラスにカチリと歯を当てた。



「ごちそうさま」

「さまー」

朝食を終え二人同時に手を合わせると連れたってリビングをでた。

二階に戻り先に部屋に入った俺は、パジャマ代わりのジャージを脱ごうと裾に手をかける。
少し汗の匂いがするシャツを脱ぎながら、制服のかかった壁に体を向けた。
脱いだそれを床に落とした瞬間、強く腕を引かれ強引に振り向かされた。

「ちょ、なに」

驚いて抗議したけど無視され、頭の後ろに掌を回され引き寄せられた。
ゆっくりと近づいてくる自分とまったく同じ顔。
騒ぎだす胸に従おうか、そんな強い誘惑に駆られて、けれど結局触れる直前、大地の唇を掌で覆って隠す。

「学校、行かなきゃ」

「あー、もうそんな時間?」

パッと大地が腕を離す。
体を離しながら、何事もなかったようにケロリのした顔で答える。
それが俺たち二人の暗黙のルールだ。

もしかしたら、互いに制されることが分かっているから、出来るのかもしれない。

クシャクシャと撫でられた髪に、なぜだか堪らなく泣きたくなる。

俺に背を向けて着替え始めた大地に気付かれないよう、唇が触れた掌にそっと口づけた。


毎朝、毎日。
俺たちは小さな罪を犯していく。
無機質な感触に、互いの名残を探す。

間接キスという名の罪。

その罪に対する罰は、この胸を占める想いそのものなのだろう。きっと。「用意いいか?広海」

「ばっちり」

玄関で靴を履いている大地の言葉にVサインをだした。
クスクス笑う大地の声が少しこもって聞こえる。

「うし、じゃあ、行くぞ?」

「オッケー」

そーっと音を立てないようにドアをあけ、足音を忍ばせ外にでた。

笑うのは、がまん。

家をでてすぐの玄関ポーチ。
二段しかない階段に座っているお隣さんの、両肩に後ろからポンッと手を置いた。

「快晴(そら)!おはよ!」

「おはよー」

ビックリしたのか「うわっ」と小さく悲鳴を上げて、物心ついたときからのお隣さん───快晴(そら) が肩越しに振り返った。

「あー、びっくりした。広海、大地。おは……って何。どした?」

尻の埃を払いながら立ち上がった快晴は、本当なら見上げねば視線があわない。
けれど、今は階段の上と下。
見上げなくても目の高さがあった。

そして子供のころ夏祭りで買った、戦隊モノのお面をかぶって登場した俺たちに、笑いを噛み殺し尋ねてくる。

快晴の疑問に俺は右、大地は左に首を傾げた。

「さあ、問題です」

「どっちが広海くんで、」

「どっちが大地くんでしょうか?」

一瞬、呆気に取られた快晴がプッと吹き出した。
そして、「難しいなぁ」との楽しげな言葉に一瞬期待した。間違えろ。

けれど、

「俺から見て右が広海くんで、左が大地くんです、先生」

迷いなく即答され、大地との打ち合わせ通りに、胸の前で大きくバツ印を作る。

「残念、ハズレー」

「外れてません。…………だろ?」

茶目っ気たっぷりにウィンクされて、お面越しに大地と目を合わせた。

そして、

「つっまんねーッ!」

キレイにハモった。 その声は、朝からモクモクと湧いている入道雲に吸い込まれていく。

「少しは動揺しろよ、ばか」

短時間とはいえ、お面の中はかなり蒸れて暑い。
外したお面でパタパタ顔を扇ぎながら、大地がつまらなさそうに口を尖らせる。

「そうだそうだ、快晴のバーカ」

俺も大地と同じように扇ぎながら文句をいう。

快晴は家族や友人が間違え、そして本人たちさえよくわからない顔や声の違いが区別できる、らしい。

大地がお面の頬の部分を指で弾いて、快晴を睨む。

「せっかく昨日二人でお面探したのに」

「せっかく制服も取り替えたのに」

「間違えろ、ばか」

声が揃う。
こんな風に、二人で一つの台詞を喋るのも、声が重なるのも結構な確率で驚かれ、そして次に呆れられる。

しかし、そんなこと慣れっこなはずの快晴が、なぜか呆れたような目で見てきた。
今さら?と驚いてしまった。

「俺たち受験生。そして制服取り換えたても、意味がない気がしなくもない。同じ学校なんだし……」

あ、そっちか。

モスグリーンと茶色のチェックのパンツに、半袖のカッターシャツ。そして胸に校章が縫いとられたオフホワイトのベスト。
特別ダサいわけでも、シャレてるわけでもない普通の制服。
今は俺の制服を着た大地がベストを引っ張りながら、

「もしかしたら制服のシワとかに特徴があって、それで見分けてるんじゃ、って広海が言うからさー」

「え、なにその理由。俺、私服でも区別ついてるよね」

「だよなぁ?アホだアホだと思ってたけど……」

チラリと見られた。

「大地ズリィ!俺が言った時は『そうかも』って言ったくせに!」

「のってやった。ってやつ?」

「えー。なにそれなにそれー」

「広海、いちいち怒らないの。大地も。からかったらダメだよ」

俺たちの間に立った快晴が俺の頭を撫でて俺を宥め、次に大地の頭を撫でて大地を諫める。
同い年だけど、昔から兄ちゃん的存在として俺たちを引っ張ってきたその声に、二人して「はあい」と返事を返し黙った。

快晴を真ん中にして並んでバス停へと歩きだし、けど、十歩も行かないうちに快晴が足を止めた。
ピッと後ろを、俺たちの家を指差す。

「二人とも。お面は置いてきなさい」

「ん?……あー……、」

「……めんどくさいから、いい」

「持ってく」

「戻してきなさい」

快晴は甘いようで意外と厳しい。
それをイヤというほど知ってる俺たちは、不承不承頷いてお面を置きに家に戻った。

そうして始まったいつも通りの朝。
いつも通り夏期講習を受け、その後、三人で勉強してジャレて笑って。
そして、苦しいまま大地を想って。

そんな毎日がほんの数時間後に、劇的に変わるなんて想像さえもしていなかった。

当たり前だけど、双子でも違う人間だ。
顔も声も同じ俺たちだが、性格は違うし、頭の中身も違った。
つまり、成績の話し。
俺は偏差値、下の中で、大地は上の中という悲しいほどの違いがある。
それでも同じ大学にいきたいと頑張ってるんだけど、いまいち勉強に付いていけない。
どうしていいかわからず、ただ焦りだけが膨らんだ。
そんな時、特上の上ランクの頭を持つ快晴が、俺の家庭教師役をかってでてくれた。

そんなわけで毎日、夕食と風呂を手早くすませた俺は、快晴の部屋を訪れて勉強を見てもらってる。

「はい、じゃあ今日はここまで。ちゃんと復習すること」

この日もいつも通り10時まで勉強を見てもらった。
参考書を閉じながら、本物の教師のような物言いが可笑しくて、クスクス笑ってしまった。

体を上に伸ばしながら、快晴を見る。
汗をかいた麦茶のグラスに口をつける姿に、ずっと気になっていたことを尋ねる。

「な、快晴。俺、本当に邪魔じゃない?俺に勉強教えてて、快晴の邪魔してない?」

「邪魔じゃないよ。俺は、広海といられて楽しいし嬉しい」

「ホントに?」

「本当に」

俺への気遣いが含まれていると思っても、そう言われれば単純に嬉しい。

「それなら、また明日も教えてくれる?」

「当然」

短く答えた快晴の言葉に満足して、帰り支度を始める。
すぐ隣だからと、適当な紙袋に適当に放り込んできたノートや参考書を、また放り込んだ。

早く帰ろう。
今日は今まで解けなかった問題が解けるようになったから、早く帰って大地に誉めてもらおう。

そう思うと、自然と手が早くなる。

「じゃ、俺、帰るな」

紙袋を掴んで立ち上がり、「おやすみ」と言おうとしたら、

「広海、待って」

「なにー?」

「もし今、俺が好きって言ったら、どうする?」

突然の突拍子もない言葉にキョトンとした。
物心つく前から一緒にいる人間に、何を今さら、と思う。

「俺も好きだけど?って言う」

「お前の言う好きって、多分友達とか仲間とか、そういう好き……だよね」

「快晴?」

いつも朗らかに笑っている顔が、なぜか複雑そうに強張ってる。
少し間をあけ、真摯で痛いくらい真っ直ぐな瞳で俺を見据えた。

「俺は、お前が好きだ。恋人になりたい」

驚いた。
言葉の内容よりも、その顔と声に。

こいつ、こんなだったっけ?
こんなに深い声をして、こんなに大人びた表情したっけ?

見たことない幼馴染みは知らない人みたいで、ちょっと気圧されてしまう。
あまりに真っ直ぐに見てくるから、いたたまれない────そう思って、俺の答えを待っているから見てるんだ、と気付いた。

それが分かれば、答えは一つしか見つからない。

「……ごめん。俺、他に好きな人がいる」

快晴は大切で大好きだけど、真っ直ぐに目を見返して言った。
ためらいはない。

俺が欲しいのは一人だけだ。
想われていたいのも。
だから、他の人間からの言葉は俺にとって意味がない。

快晴の顔が苦しそうに歪んだ。
気まずい沈黙が重苦しく流れ、扇風機の回る音がやけに大きく聞こえる。

「……そんな、大地がいい?」

ためらいがちな幼なじみの言葉に息を飲んだ。
サッと血の気が引くのが、自分でわかった。

絶対、誰にも知られてはいけない感情。だから、周りに悟られないよう、必死になってきた。

なのに……。

快晴が苦笑する。

「気付くって。広海が大地を見る目とか、大地が広海を見る目とか。好きで堪らないって目をしてる」

「うそ……」

「ほんと。でも……まあ、気付いてるのは、俺だけだと思う。俺は広海をずっと見てたから気づいただけ」

「………わな…で」

気付いたら、しゃがんで快晴の腕を掴んでいた。

「言わないで。特に父さんと母さんには、絶対言わないで」

父さんと母さんの気持ちなんて考えなかった。
ただ、この想いがバレたら大地と引き離されるかもしれない。

それしか考えられなかった。

「言わないよ。約束、する」

快晴は嘘をつかない。
安堵してホッと息を吐き出した。


なんてヒドい息子なんだろう。
これほどの裏切りはきっとない。

分かっていても、止められない想いがある。

俺をジッと見つめている快晴と、目を合わせたくなくて俯いた。

「……広海、いつまで、すがりつく気だ?」

ポツリと呟かれた言葉は、泣いてしまいそうなほど切なさと、ほんの少しの怒りを帯びていた。

「教えて。お前たちは何回、間接キスしたら気がすむ?百回?千回?1万回?百万回したら、想いは叶うのか?」

「快晴」

制止の意味を込めて、名を呼ぶ。
けれど快晴は止めてくれない。

苛立ちを隠しもしない舌打ちが、胸に刺さる。

「叶わない。どれほど想いあってても、無理なんだ」

追い詰めるように、責めるように紡がれる言葉。
必死に耳を、目を、心を塞いだ。
聞きたくなんかない。

なのに、快晴の言葉は耳に滑り込んでくる。

「いつまで、続ける気だ?お前たちに未来なんてないのに」

やめろ。

やめろ。

「その証が、その顔と声だ」

「やめろ!」

止めをさす言葉に、堪えきれずに叫んだ。

「……お願いだから、やめてくれ」

震えが止まらない。
なぜかひどく寒くて、自分で自分を抱きしめた。

なぜ大地なのかなんて、俺自身分からない。

ただ分かるのは、俺と大地は双子で、だから何があっても繋がっていられる。
けど、だからこそ────死んでも叶うことはない恋だということだけだ。

それを鏡や窓ガラスに写る自分を見るたび思い知る。


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